帝国バンクに公開された以下の記事について
Title: 組織の壊し方
Url: https://www.tdb.co.jp/report/economic/h-5oddsyxoyt/
——- 抜粋 ————–
- 「注意深さを促す」。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする
- 可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上
- 何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない
- 会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する
- 前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す
- 文書は細かな言葉尻にこだわる
- 重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる
- 重要な業務があっても会議を実施する
- なるべくペーパーワークを増やす
- 業務の承認手続きをなるべく複雑にする。1人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする
- 全ての規則を厳格に適用する
—————————
当たり前のことですが、組織を非効率にする方法は、組織を効率的に動かす方法の逆です。
組織の問題は下記の2つに大別できます。
(1) ハードの問題
人、モノ、カネが足りないことで実現できない。無いものは無いのでしょうがない。
(2) ソフトの問題
人の動き方、配置の仕方、ルールの敷き方が悪い。これは比較的改善しやすい
上記のマニュアルで語られることは、比較的解決しやすいソフトの問題を、ハード化しようとしていることがわかるでしょうか。ルールや人の動きの融通を制限し、硬直化させてしまおうということですね。
今の組織に置いて、過度のルール主義、セキュリティ至上信仰、Excel 排除などの完全システム化美意識など、これらも同様です。せっかく人の動きやルールで柔軟になっている部分があるのなら、それを壊さないように心がけましょう。
原文を掘り下げる
上記「組織の壊し方」に関する原文はこちらです。CIA のサイトです。
Title: Simple Sabotage Field Manual
Url: https://www.cia.gov/static/5c875f3ec660e092cf893f60b4a288df/SimpleSabotage.pdf
対象はインフラや市民の先導なども含まれていますが、組織の人の部分をピックアップすると、企業内で意図せずやってしまう危険性と、やってしまった際の効果を掘り下げることができます。
基本コンセプト:
- 「単純な妨害」は特別な装備や技能が不要
- 一般人が日常環境で実行可能
- 発覚や危険を最小化
- 小さな行為の積み重ねで大きな影響を生む
つまり、気づかないうちに誰でもやってしまえるということです。
組織の生産性を下げる具体的な方法 ⇒ 生産性を下げている要因
会議・意思決定
- 無駄に長い議論
- 不要な委員会設置
- 細部にこだわって決定を遅らせる
管理・運営
- 必要以上の手続き・承認
- 非効率な人員配置
- 優先順位の誤り
事務作業
- 書類ミス・誤送付
- 必要資料の遅延
- 情報の誤管理
現場作業
- 意図的な非効率な作業方法
- 不必要な手戻り
- スキル共有の拒否
直接的効果
- 生産性低下
- 資源・時間・労力の浪費
- 機器の故障や遅延
間接的効果
- 組織の混乱・士気低下
- 管理者や監視側の負担増大
- 抵抗意識の拡大
分かる気がします。
また、行動を促す方法も語られていて、会社の中でもこの考え方を増長する要素ととらえることができます。
行動を促す考え方 ⇒ この考え方を増長する危険因子
- 個人にとっての利益を具体的に示す
- 自分だけでなく「多くがやっている」と感じさせる
- 小さな成功例を示してアピール
- 「いつもと逆の行動」をとるよう促す(例:丁寧→雑)
そして、特に
- 官僚的遅延
- コミュニケーション不全
- 意思決定の停滞
が強力な影響を持つとされ、 大規模な破壊よりも、小さな非効率の積み重ねが組織に大きなダメージを与えるとしています。

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