大企業において、データ基盤がなぜ必要なのでしょうか。単にデータ分析をするためであれば、基盤は不要です。
細かいことや大義名分はいろいろあると思いますが、簡単に紹介したいと思います。
これまでの問題点
私たちの企業では、正式なデータ基盤が存在しない段階から、各業務システムに点在するデータを収集し、分析に活用する動きがありました。
しかし、以下のような課題が浮き彫りとなっていました。
どこにどのようなデータが存在しているのかが把握できず (最も重要!)、当事者が知っている限りのデータを用いて場当たり的な分析を行う状況が多く見られる
データディスカバリ(探索)の段階で多くの時間と労力がかかっており、本質的な分析に進めないケースが少なくない
継続的に最新のデータを取得することが難しく、手作業による更新や個別対応に頼らざるを得ない場面がある。ただし、これはディスカバリ段階の課題ほど深刻ではない。
各部門で独自に「正」とされるデータセットが作られ、相互に検証されることなく並立する状態となってしまっている。結果として、同じ指標で異なる値が報告されるといった混乱も生じている。
データ基盤に必要な機能
これらの課題を踏まえ、次のような機能を備えたデータ基盤が必要となります。
「どこに」「どのような」データがあるのか、そして「どのように扱えばよいのか」が把握できること、もしくはそれを知る手段が用意されていること(最も重要!)。
分析に先立って実際のデータサンプルを簡単に取得できること。
システムの統廃合や事業の変化といった環境の変動にも、柔軟かつ迅速に対応できる構成であること。
中央で統制すべき情報は、企業内のベースレジストリとして集中的に管理し、配布すること。
そしてデータ基盤の役割として何より重要なのは、「私はどうしたらデータを入手できるのか、どうやって扱えるのか」という Next Action の問いに対する答えを提供できること、すなわち、自律的にデータを活用するためのナレッジとリソースを提供することです。
決して、会社中のすべてのデータを集中的に保持するとか、データ分析をしてあげる、ということではないのでご注意を。
そうすることで、全社的なデータ活用を加速し、データを企業の資産ととらえながら、データドリブンな文化を根付かせることが役割です。
データ基盤のグランドデザインにおいても、これを強く意識しなければなりません。
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